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乳歯のむし歯を放置するとどうなる?永久歯に影響が出る3つのリスク
「乳歯はいずれ抜けるから、むし歯になっても大丈夫」そう思っていませんか?
実はこの考え方が、お子さんの将来の歯並びや健康に、大きな悪影響を及ぼすことがあります。
当院でも、「子どもの乳歯にむし歯が見つかったけど、もうすぐ抜ける歯だし…」と受診を迷われる保護者の方は少なくありません。
しかし乳歯は、ただの「抜ける歯」ではなく、発音や咀嚼、さらには顎の発育にとっても重要な役割を担っています。
乳歯のむし歯を放置することで、後に生えてくる永久歯にまで影響が及ぶケースは決して珍しくありません。
今回は、乳歯のむし歯が引き起こす3つのリスクについて、わかりやすく解説します。
乳歯のむし歯は自然に治らない。むしろ、どんどん悪化します
乳歯のむし歯は進行が早く、小さな黒い点のように見えていても、すでに歯の神経まで達していることがあります。
しかも乳歯はエナメル質や象牙質が薄いため、大人の歯よりもむし歯の進行が速いのです。
- 歯の根に膿がたまり、痛みや腫れが出る
- 顎の骨や永久歯の芽に悪影響を与える
- 口の中のバランスが崩れ、発育や食事に影響する
さらに、むし歯菌が口の中に残り続けると、新たなむし歯を引き起こしやすくなるため、早期の対応が重要です。
永久歯に影響が出る3つのリスク
1. 永久歯の歯並びが悪くなる
乳歯がむし歯で早く抜けてしまうと、そのスペースを隣の歯が埋めるように移動してしまいます。
その結果、後から生えてくる永久歯のスペースが足りなくなり、歯並びが乱れる原因になります。
2. 永久歯の質や形に異常が出る
乳歯の根の先にある炎症が、下にある永久歯の芽にまで影響すると、エナメル質形成不全などの異常が起こる可能性があります。
白い斑点や表面のざらつきなど、見た目や機能に支障が出ることもあります。
3. 永久歯の位置やタイミングが狂う
むし歯の進行で早期に乳歯を失うと、永久歯の萌出タイミングがずれて、変な方向に生えてくることがあります。
時には、埋まったまま出てこないこともあり、小児矯正が必要になるケースもあります。
よくあるご質問|保護者の方の不安にお答えします
Q1:どうせ抜ける歯なら、無理に治療しなくてもいいのでは?
乳歯は永久歯の生え方に影響する「ガイド」のような存在です。
1本でも早く失うと、周囲の歯が動き出し、永久歯のスペースが足りなくなるリスクがあります。
むし歯が小さいうちに治療を行えば、処置も軽く済み、お子さんの負担も少なくなります。
Q2:子どもが歯医者を怖がって行きたがりません…
当院では、お子さんが歯科を嫌いにならないよう、段階的な診療を大切にしています。
まずは診療室に入る、診療台に座る、鏡でお口を見てみるなど、小さなステップから始めます。
一人ひとりのペースに合わせて治療を進めていきますので、ご安心ください。
→ 小児歯科について詳しく見る
Q3:むし歯にならないようにするには、どんな予防がありますか?
むし歯予防には、家庭でのケアと歯科医院での予防処置の両立が効果的です。
- 定期的なフッ素塗布
- シーラントによる奥歯の溝の保護
- 仕上げ磨きの徹底
- おやつの時間と内容の見直し
当院では、保護者の方へもブラッシングや食習慣のアドバイスを行っています。
→ 予防歯科について詳しく見る
むし歯を繰り返さないために|定期検診が未来を守ります
乳歯のむし歯を早期に治療することも大切ですが、最も重要なのは「むし歯をつくらない」環境づくりです。
当院では3〜4ヶ月ごとの定期検診を推奨しており、歯の健康状態、あごの成長、歯並びのチェックも同時に行っています。
早期の小児矯正が必要かどうかも、定期的なチェックの中で自然に判断できます。
→ 小児矯正の症例を見る
まとめ|乳歯のむし歯は、永久歯と未来を守る重要なサイン
乳歯のむし歯は、「そのうち抜けるから大丈夫」ではなく、「今こそ守るべきサイン」です。
むし歯の早期治療はもちろん、予防や定期管理を行うことで、お子さんの将来の歯並びや健康を守ることができます。
「まだ小さいから…」「嫌がるから…」と迷われている方も、お子さんのペースに合わせた診療を行っていますので、ご安心ください。
乳歯のむし歯やお口のことで気になることがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。